沖縄県の不動産関係者によると、最近、シンガポールに本社を置く企業が米空軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に近い場所に不動産事務所を開設。一時期は、ネット上で軍用地購入を呼びかけるサイトなどを開設していた。
民間が地主となっている軍用地が、沖縄県外の人に売買される事例は5年以上前から活発化。購入しているのは、国内外の投資家で、日本政府から安定的に軍用地借料(地代)が得られることが理由のようだ。
日本政府が払う地代は年々上昇し続けており、平成16年度に871億円だったものが、23年度には918億円にまで膨らんでいる。
防衛省によると、沖縄の米軍用地は3分の1が民有地で、地権者は約3万9千人。このうち国外在住の地権者は231人(21年度末)が確認されており、その後さらに増加している可能性がある。
一方、北海道によると、倶知安(くっちゃん)町の自衛隊駐屯地から3キロ圏内の林地のうち、外資所有の林地が3件109ヘクタールあることが判明。道では自衛隊施設や警察署の周辺林地所有者に対し郵送で使用目的などを尋ねたが、宛先不明での返送が54件、総面積計579ヘクタールあった。
自衛隊施設周辺の土地所有者のうち、6つの企業は、所在先すら不明で連絡が付かなかった。外資が、ダミーの企業名を使っている可能性もあるという。
外国資本の土地購入をめぐっては、近年、各地で問題化。水源地などのほか、長崎県対馬市では19年に、海上自衛隊施設の隣接地を韓国資本が買収し、安全保障上の観点から問題となった。
関係者によると、外資による投機的土地買収は、現地を訪れず、公図(登記簿図面など)の確認だけで契約することが多いという。
財団法人・日本不動産研究所の山本忠顧問は、安全保障上の問題に加え、「公図には境界があいまいなものもあり、このまま放置すれば地元で境界紛争が起きる可能性もある」と指摘している。
