中国政府はチベットにおける暴力的弾圧の実態が海外に広く知られることを恐れてか、急遽、3月いっぱい旅行者の立ち入りを禁止しました。弾圧は続き、同時に絶望的なレジスタンスも終わってはいません。
ダライラマ法王の非暴力抵抗主義が力を持ち得るのは、非暴力という手段が暴力以上に政治的影響力を持つことが大前提です。しかし現実を見れば、かつては中国の人権弾圧に抗議していた西側各国も経済危機を抱え、中国からの支援を必要としていることもあって、以前ほど中国に対して強い抗議を行うことが出来てはいないのが現実です。人道的道義的支援はこれまで以上に獲得しがたい状況があるのです。
米国や欧州危機は長引きます。短期間に経済が回復する可能性は小さく、そうなればさらに中国に対する低姿勢も継続するということになりそうです。この事実をしっかり見てとらなければなりません。チベットに連帯する国際的な声が大きくなる客観的条件は小さいのです。
そうしたなか、18日から日本の安住財務大臣が中国を訪問します。昨年暮れの野田総理の訪中で約束した100億ドル(8000億円)の中国国債の買い入れなど「金融部門の連携強化」(NHK)が目的です。何度も指摘していることですが、中国には自由な国債市場は存在していません。つまり日本が買う1兆円近い中国政府の国債はいつでも売れ、現金化できるものではないのです。この点が米国や日本の国債との決定的な違いなのです。つまり国債をいったん購入した場合、それは塩づけにされたままになることを意味するのです。これでは事実上の経済援助です。
日本のODAには(1)円借款 (2)無償援助 (3)技術支援 の3つがあり、ODAの90%を占める(1)の円借款は2008年度に中止されていますが、(2)と(3)は今も継続中です。ちなみに日本の対中国ODAは1979年に始まり、現在まで3兆円を軽く超えています。これほど援助した国は日本だけで、我が国は世界一中国を援助している国なのです。
中国は日本の援助のうまみを知り尽くしています。条件が世界一いいのです。期間、利率、金額、さらに他国は認めてくれないインフラ(港、空港、道路など)に使えるからです。いま日本の援助で作られた道路や空港を人民解放軍が優先的に利用しており、チベットウイグルにおける反乱鎮圧に「活用」されているのです。ですが、なぜかマスコミはこうした事実を書かない。報道しない。国会も何も問題にしない。しかし、私たち日本国民は中国政府のために納税しているわけでありません。人のカネを弾圧につかうんじゃねえよ。声をあげるべきはこの言葉ではないのでしょうか。
面妖なのはフリーチベットを叫ぶ人々からも日本の対中援助を問題にする声があがってこないことです。辛辣に聞こえるかもしれませんが、フリーチベットだけを叫んでもそれは単なる念仏にすぎません。北京五輪から4年。掛け声だけでなにかが変わったのでしょうか。
喉がつぶれるほどフリーチベットと声をあげても、日本からの援助は続いているのです。さらに問題は深刻です。というのも、中国はさらにこれからも中西部開発の名のもとに、チベットウイグルなど西部の少数民族地域へ日本の公的援助や財務省が仕切るアジア開発銀行、世界銀行からの融資を強く求めているからです。冒頭に紹介した安住財務大臣の訪問もそれが一つの理由なのです。
チベット弾圧に怒る日本人の敵は本能寺にいるのです。消費税が10%になると言います。財政がひっ迫しているとも政府は釈明します。それならば国民もこう言わなければなりません。私たちは平和国家の理念もなく、正義のかけらもない外務省の対中ODA,財務省のアジア開発銀行からの援助にノーなのだと。国民の財布に手を突っ込んで、弾圧に加担するんじゃねえよと。
それでも援助は続きます - 青木直人BLOG:2012年2月11日 (via nandato)
チベット弾圧に怒る日本人の敵は本能寺にいるのです。消費税が10%になると言います。財政がひっ迫しているとも政府は釈明します。それならば国民もこう言わなければなりません。私たちは平和国家の理念もなく、正義のかけらもない外務省の対中ODA,財務省のアジア開発銀行からの援助にノーなのだと。国民の財布に手を突っ込んで、弾圧に加担するんじゃねえよと。
たしかに、シナへのODAは利敵行為でしかなく、不要どころか有害でしかないので、「日本人の敵は外務省にあり」という表現は正しいことになりますね。
(via windsock)(windsockから)
